想像すらも越えた世界

星の数だけ愛の言葉囁いて、アイラブユー

お迎え(藤井)

あっ、雨だ。
彼女は夜に職場の飲み会があるって言ってたな。
そろそろ終わる頃やろうか。
あいつのことやから傘持ってへんやろうな…っていいこと思いついた。
そうと決まれば駅まで迎えにいこう。

駅に着いて『今駅におるで』とLINEする。
なかなか既読にならへんな〜。
ボーッと立ってると彼女が来た。
えっ?隣に男がおる…。誰やねん。はっ?!腕引っ張られてるやん!そっちはホテル街やん!はっ?!
なんて思ってたら、彼女の前に行っていた。
『何してるん?』「りゅうくん?!」「えっ?彼氏?」「はい」「彼氏いるなら言ってよ〜」「(?!)」「じゃあ彼氏さん、よろしくね」
『ちょっと待ってください。送ってくださってありがとうございました。でも今後は大丈夫です』
「ちょっ、りゅうくん『大切な彼女なので守りますから』
「あっそうですか(笑)」と言って男は去っていった。
「なんかごめん」
『なんで謝るん?やましいことでもあるん?』
「えっ…ないよ」
『ごめん。言い方きつかったよな。そんな涙目にならんといて。わかってるよ。職場の先輩だから断れへんかったんやろ?でもな、いいって言ったら男は丸め込めるって思うんやで。それに自覚した方がええよ』
「何を?」
『かわいいってこと。こんなイケメンの彼氏がおったって、お前がかわえかったら意味無いやん』
「もう〜!どこが本音で、嘘かわからない」
『全部ホンマのことやで。じゃあ、帰ろうか』
「うん。あれ?傘一つしかないの?」
『あっ忘れてもうた』
「もう〜。またボケっとして〜」
『ゴメンって』

これは嘘。だって本当は彼女と相合傘したかったやもん。